ご自身の歯を一生涯健康な状態で保ち続けることがベストであり、私たちも一本でも多くご自身の歯を残せる治療に努めています。しかし、歯周病が末期状態の場合などは周囲の健康な歯を守るために抜歯を行うケースや突然の事故など、どうしても歯を失ってしまう場合があります。
その場合、失ってしまった歯が今まで果たしてきた機能を回復させるための治療が必要になってきます。
歯を失った際の治療法として、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つが挙げられます。各治療法の特徴は異なり、メリット、デメリットも様々です。
治療の選択は、まず患者さん自身がしっかり治療について理解することが大切です。こちらでは3つの治療を比較しながらわかりやすく解説いたします。
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歯を失うと食事や会話をする際に大きな違和感を感じますが、仕事が忙しいなどの理由で治療を後回しにしていると、だんだん歯がない状態に慣れてしまい、そのまま放置してしまう方がいらっしゃいます。しかしこれはとても危険なことです。
人間の歯は顎の骨に支えられて強く噛むことが出来ています。また顎の骨も咀嚼する際に歯から刺激を受けることで、正常に機能しています。
そのため、歯を失った状態を放置しておくと歯からの刺激がなくなり、顎の骨はどんどん後退し、減っていってしまいます。これを「骨吸収」と呼びます。骨吸収が進むと、ブリッジや入れ歯を入れてもしっかり噛むことが出来なかったり、インプラントにおいては顎の高さが減りすぎてしまったりと治療が複雑になる場合があります。そのため、歯を失った場合はすぐに治療をおこない、骨吸収を防ぐことがとても重要です。
歯科医学は20世紀後半から21世紀に入り飛躍的進歩を遂げています。材料や技術の発達により患者さんが選べる治療の選択肢が増えたのもその一つです。以前であれば、「入れ歯にするしかありませんね。」といったお話しが、今では「どのような入れ歯にしますか?それともブリッジにしましょうか?インプラントという手もありますよ。」と様々なご提案ができるようになりました。
また、歯周病や根の病気によって失われた顎の骨も「再生療法」によって、ある程度再生させることが可能になったことも素晴らしい技術革新だったといえるでしょう。つまりこれまでであれば、歯周病や入れ歯の長期使用によって顎骨がなくなってしまった場合には、インプラントを埋め込めないという悩みがありましたが、顎骨の再生療法によってインプラント治療ができるようになったのです。
このように近年、インプラント治療のための技術・材料・機器は目覚ましい進化を遂げており、多くの研究と改良が加えられた現在のインプラントは、安全性や安定性も飛躍的に向上し、機能性、審美性、快適性のどれをとっても義歯とは桁違いに「歯」に近く、第2の永久歯とも言われています。また特筆すべき点は、義歯では20~30%ほどしか回復されない噛む力もほぼ天然歯と同程度まで回復が可能になった事が挙げられます。しかも噛む力はインプラントを介してダイレクトに顎骨に伝播し、顎顔面頭蓋を通して脳幹部にまで伝達し、老化を防ぎ、認知症予防にもつながります。歯を失うことで心配された発がん性物質の問題、ストレスの問題もインプラント治療によってリスクが減ることも医学的に立証されています。
周辺機器も整備され、特にCT・レントゲンと、その画像を解析するコンピューター・ソフトウェアの開発により、顎の骨の形が手に取るように分かるようになりました。さらにインプラント埋め込み手術のシュミレーションまで、コンピューター上でできるようになり、手術の安全性は大幅に向上しました。
また安全性のみならず、静脈内鎮静法(セデーション)を取り入れる事により患者さんの手術に対する恐怖心や緊張も緩和できるようになったことは、患者さんの意識を前向きにし、さらなる医学の進歩に繋がったと言えるでしょう。この方法は、静脈内鎮静薬や静脈麻酔薬などを用いた治療で、全身麻酔と異なり入院の必要もありません。うたた寝をしているような感じで不安感が取れ、とてもリラックスした状態で治療を受けることができるようになったのです。
上記のような点から、インプラントにはこれからの歯科治療を担っていく大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。インプラント治療をあきらめてしまった方、不信感を抱いていらっしゃる方、どうか当院に一度ご来院ください。一から分かり易く治療内容をご説明いたします。